キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】

「了解」と、整形外科受診の手続きを済ませてくれた森脇さん。

そうだよね。レントゲンを撮って異常がなければ、湿布か飲み薬で様子を見ていればいいのだから。


「はい、これ。診察呼ばれたら一緒に持って行ってね」

「ありがとうございます」


彼女が手渡してくれたのは、お会計のときに必要な受診票。
森脇さんは丁寧にクリアファイルに入れてくれ、すぐに受診ができるようにしておいてくれた。

私は受診票を自分の目につく場所に置き、診察が始まった五十嵐先生がいる診察室へと入った。

やっぱり今日も、五十嵐先生が引き抜いてきた患者さんが数人いる。

昨日、予習でカルテを見た感じ確かに症状は安定してそうな患者さんばかりだったけれど、まさかまだ引き抜こうとしているとは。


「矢田、これ。富永整形外科に返書」

「あ、はい。『当院で治療継続します』でいいですか?」

「あぁ。そんな感じで」


五十嵐先生から、富永整形外科の紹介状を受け取る。

昨日、確認した40代前半の女性の患者さんだ。
腰が痛いと整形外科を受診したら、レントゲン画像で陰影が見つかった。

大音総合病院で精査目的で紹介となり、造影MRI検査の結果、乳がんの転移だったという。

早期のために乳房のしこりも気が付かず、転位してから気が付いた。