キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】

もしかして、聞かれたくないことなのかな?
まぁ……付き合っているとは言っても、知られたくないこともあるかもしれない。

それでも、少しくらい教えてくれたっていいのに。

いつもと違ってハッキリしない匠真にモヤモヤしながらも再び車に揺られ、最終目的地である旅館に到着した。

『老舗旅館 藤』という旅館は、観光客に人気があるらしい。
今日は、ここに宿泊する。


「運転、ありがとうございました」

「俺は大丈夫だ。葵こそ、長旅で疲れただろ。今日は温泉にでも入ってゆっくりしようか」


そう言いながら匠真がトランクからキャリーケースを降ろしてくれて、一緒に旅館へと向かった。

老舗とは言われているだけあって、少し年期の入っている建物。
中に入ると女将さんがお出迎えをしてくれて、荷物も部屋へと運んでくれた。

部屋へと繋がる襖を開けると、広い和室が目に飛び込んでくる。


「わぁ……広ーい!」

「外には露天風呂もございます」

「えっ、露天風呂!?」

「はい。宿泊中は、ご自由に利用していただいて大丈夫ですよ」


まさか、露天風呂付き客室だったなんて知らなかった。

広い客室に露天風呂。
さっきまでのモヤモヤした気持ちが、あっという間吹き飛んでしまう。