キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】

理由は、身分の差。
彼女は、裕福な家で育った女性だったから。

その両親の反対を押し切ってまで結婚したけれど、結局戦争によって引き裂かれた彼女たち。

それでも最愛の人と結婚した2人にとって、きっと素晴らしい人生だっただろう。


「奥が深いんだな」

「そうなんです。でも……戦争で苦しくても、両親に反対されても愛を貫き通すなんて、素敵」


人生、なにが起きるかなんてわからない。


この絵画を知ったのは、私がまだ中学3年生くらいの時だった。
美術の教科書に載っていたこの絵画は、ほかの絵画とは違って見えたのだ。

中学生ながら『私もいつか、こんな風に愛してくれる人と出会えたら』なんてことも思った。

そんな風に思わせてくれた素敵な絵画を、今この目で見ているなんて夢のようだ。


「それにね……似てるんです」

「え?」

「この絵の中の男性が、匠真と似てる」

「俺に?」


一瞬だけ私に視線を移した匠真だったけれど、もう一度絵画に目を移す。

……そう。似てるの、匠真に。
どんな私でも、突き放さずに傍で「好き」だと言ってくれる。

病気でも偏見なんて持たずに、私の傍にいてくれる。