キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】

食事が終ると匠真があっという間に会計を済ませてくれ、2人で車に乗り込む。


「ごちそうさまでした。とっても美味しかったです」

「喜んでもらえてなによりだ。また行こう」

「……はい」


〝また〟という言葉。
そのたった2文字の言葉は、時に私のことを苦しめる。

私に、その『また』という時間が来るのだろうか。

――匠真の願いを、叶えられる?

そんな不安が頭を過ったけれど、今日はせっかくの旅行だ。暗い気持ちになりたくなくて『はい』とだけ答えた。


「もうすぐ着くぞ」


匠真にそう言われふと顔を上げると、先ほどとは少し違った景色になっていた。

大都会でもないく、田舎でもない街。
そんな景色の中にひと際目立って見えるのは、目的地である美術館だ。

ずっと行きたいと思っていたから、ワクワクがが止まらない。まるで小学生が遠足に来てはしゃいでいるような、そんな気持ちだ。


「楽しみです」

「俺、絵画ってよくわからないから、葵説明してよ」

「えっ? わ……私も、そんな詳しくないですから」


私の言葉に「なんだよ」と、匠真の鋭い突っ込みが入る。
そのあまりにもベストな突っ込みに、思わず笑ってしまった。

私の笑いに釣られて匠真も笑いながら、美術館の駐車スペースに車を停める。