キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】

まさか、コーヒーすらも買わせてもらえないとは予想外だ。

納得がいかないままストローでコーヒーを吸い上げ、喉へと送った。


「あ、このコーヒー、とっても美味しい」

「有名なコーヒー店のらしい。詳しくは知らないが」

「へぇ。そんなのが、サービスエリアにあったんですね」


久しぶりに口にしたコーヒーは、とても美味しく感じた。

本当は、違う飲み物にしようかと思っていた。
でも、今日ならなんだかコーヒーも美味しく飲めるのではないかと思ったのだ。

それはもしかしたら、匠真と一緒だからかもしれない。


「もう少ししたら1度高速を降りて、食事でもしよう。美味しいお店を、事前にリサーチしてある」

「えっ、そんなことまで……?」

「いや、まぁ……俺も、楽しみだったからな」


そう言った匠真は照れくさそうにしながら、コーヒーを一口飲んだ。

予想外の言葉に私は大きく目を見開いたまま、動けなくなる。

……匠真が、この旅行を楽しみにしてた?
まさか、聞き間違いじゃないよね?

どうしよう。すごく嬉しい。

「……もう、行くぞ」と言った匠真は、ハンドルを手にして、車を発進させた。


本当は、少し心配していた。

3日間の夏休みのうちの2日間も私との時間を作ってもらって、迷惑じゃないのかな、って。