キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】

「はい、もしもし」

『俺だ。今、少し電話しても大丈夫か』

「私は大丈夫ですよ。オペは終わりました?」

『あぁ。なんとか無事に終わった。治療が終るくらいに、見に行きたかったんだが』


付け加えて『すまない』と、小さく言った匠真。

匠真が謝ることは、なにもないのに。
今日のオペは長引くだろうと思っていたから、予想通りだと、ただそれだけ。

患者さんを優先するのが当然だし、別に匠真は悪くない。


「私は大丈夫ですよ。それより、なにか話したいことでも?」

『あぁ、そうだった。少し待って』


そう言った匠真は自分のデスクで探し物を始めたのか、なにかガサガサと物音がする。

やっぱり、まだ仕事中だった。合間を見て、連絡をくれたんだよね。

そんな少しの時間でも私のことを考えてくれていて、本当に嬉しい。


『実は再来週、3日間の夏休みをもらっているんだ。それで、葵が構わないなら、どここかに出かけないか?』

「えっ、夏休み?」

『そう。せっかくだし、息抜きしに行こう。泊りで』

「えっ!? お泊り!?」


まさかの提案に、驚いて大声を出してしまった。
慌てて手で口を抑えたけれど、多分今のは間違いなく丸聞こえだ。

でも、まさかお泊りのお誘いだったなんて。

嬉しくて、気分が高揚してしまう。