キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】

いや。それにしても、3ヶ月で職場復帰するなんてすごい。

出産して子育てするだけでも大変そうなのに、それに加えて仕事。
まるで、芸能人のようだ。

そんな日々頑張っている素敵な奥さんと、産まれたばかりの子どもがいて幸せ絶頂期のはずなのに。

ほかの女性に(うつつ)を抜かしてたらダメでしょ。


「急にどうしたの? なにかあった?」

「い、いえ! この前病棟に行ったとき、ちょっと険悪ムードっぽかったので」


上手い言い訳も思い浮かばず、咄嗟に病棟に行ったときのことを話した。
「あら、珍しい」と、お冷を口にしながら驚く森脇さん。

納得してくれてほっと胸を撫でおろしたのと同時に『すみません』と、心の中で謝罪をする。

だって別に、険悪ムードではなかった。

仕事の話でも仲良さそうに話していたし、大貫先生の方が嬉しそうに奥さんに近付いていたから。
だから、なおさらさっきの行動が読めないのだ。


「まぁ、夫婦だもん。喧嘩もするわよ」

「そ、そうですよね」

「それより、今日は午後から治療でしょ?」

「あ、はい。食事が終って、書類の下書きしてから行きます」


「了解。それじゃあお先に」と言うと、食べ終わった食器を持って席を立った森脇さん。

今日は、2週間に1度の抗がん剤治療の日だ。