キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】

顔の前で「ごめん」と、ジェスチャーをしながら、大貫先生は外来を離れて行く。

……さっきのは、なんだったの?
大貫先生、間違いなく私の頬に触れたよね。

どうして……?
大貫先生には、私が入院中にお世話になった奥様がいる。

それに、3月に子どもも生まれたんだよね。
〝愛妻家〟だと周りから言われているはずの彼が、どうしてあんなことを……?


「あ、いけない。書類、片付けないと」


ふと思い出し、先ほど匠真から預かった書類を、名前が見えないようにして伏せて置いた。

とりあえず、診察室の片付けだ。
診察終了後の診察室は、ドクターが使用した書類などが乱雑している。

診察室の片付けと消毒が終ったら、預かった診断書の下書きを進めよう。
大貫先生の行動にモヤモヤしつつ、私は診察室へと向かった。



「すみません、塩ラーメンでお願いします」

「はーい。ちょっと待っててね」


診察室の片付けが終って、やっと確保できた食事の時間。

院内にある食堂で食券を購入して、カウンターに出した。
時間は13時を過ぎたところだけれど、今から食事を摂る職員も大勢いるようだ。

注文したラーメンをカウンターで受け取り、空いている席を探していると森脇さんの姿が目に入った。


「お疲れ様です」

「おぉ! 矢田ちゃん、お疲れ様」