しばらくして、私の涙は止まった。
「落ち着いたか?」
顔は厳ついけれど、優しく私にそう尋ねた。
「はい、落ち着きました。ところで、お名前聞いてもいいですか?」
そう言うと、少し考えるような顔をした後に、ハッと何かを思い出したような顔をした。
「自己紹介がまだだったな。悪かった。俺は、桜塚 嶺夜(さくらづか れいや)だ。改めてよろしくな。敬語はなしでいい」
桜塚 嶺夜その名前はニュースでよく聞く名前だった。
そして、私は一番の疑問を父に投げかけた。
「私は、これからどうすればいいん、、いいの?」
敬語が出てしまいそうになり、世の親子はこんな風に敬語を使いそうになることは絶対ないよな、なんて思った。
「朱音の好きなようにしたらいい。あの家にすみたいなら住めるようにしてやるし、ここに住みたいならここに住むでもいい」
好きなように、そう言われて自分はどうしたいのか考える。
自分の意見ははっきりしてるようではっきりしていない。
そんな自分が嫌になった。
「私は、あの家に住みたいかも?今まで過ごしてきたけだし、」
私の言葉に父は優しく笑ってくれた。
世間に恐れられている桜塚嶺夜がそんな風に笑うんだと驚いた。
「とりあえず今日は泊まっていくといい。もう夜も遅いからな。明日の朝家まで送る」
そう言い、部屋に案内すると言われ父の後ろをついていくと色々な人が父を見て頭を下げた。
そんな父を見てすごい人なのだと改めて思った。



