あの子、溺愛されてるらしい。

昨日、告白された後のこと。


中條さんはしばらく私の頬を優しく撫でながら『好きだ』と繰り返した。その度にどんどん顔が赤くなっていく私の様子を見て嬉しそうに笑って。


私は恥ずかしくなってベンチから立ち上がり、中條さんにペコリと頭を下げた。



「ごめんなさい。帰ります!さようなら!」



そのまま逃げようとした私の腕を中條さんがパッと掴んだ。



「ちょっと待って。今のごめんなさいは告白を断るごめんなさい?」

「え…?あ…今のは…。」



慌てふためく私を見て彼が笑った。



「完全に断られたわけじゃなさそう。」

「そ、そういうわけでもなくて…。」

「断っていい。でも俺を避けたりしないで。それが告白を断っていい条件。」

「…条件?」

「こうすれば俺は好きな人を追いかけ続けられる。」



また胸がトクンと音を立てる。私の腕を掴んでいる中條さんの手に少し力がこもった。



「そうしてくれる?」



今日の中條さんは今までとは別人のようだ。


優しい目で私を見て、甘い言葉を言う。優しく私に触れて、甘い笑顔を見せる。


そんな彼に勝つことなどできるわけもなく、私は頷いた。