「と、とにかく!私は彼氏のいる青春を送りたいんだから!邪魔しないでよねっ」
「いけません」
「は?」
「お嬢様に男など必要ありません」
私はカチンときた。
「何よ!執事にそこまで口出す権利ある!?」
「あります。大切なお嬢様をどこの馬の骨ともわからない男には絶対に渡しません」
その言葉にドキッとしてしまうゲンキンな私がいたけど、喜べることじゃない。
だって結局私のこと子ども扱いしてるんでしょう?
「いい加減にしてよ!いつまでも子ども扱いしないで!」
なんで私が彼氏が欲しいと思ってるの?
薺のこと諦めたいからなのに――……。
「子ども扱いだなんてした覚えはありませんが」
「嘘よ!いつまでも過保護じゃない!」
「それはお嬢様がかわいくて仕方がないからですよ」
「だからそれが、」
「女性として愛しいと思っているからです」
え…………。
さっきまで泣きたくて仕方なくて、必死に涙腺を食い止めようとしていたのに、急に引っ込んだ。
今の、どういうこと?
「私のことなどただの執事としか思われていないでしょうし、まだ言うつもりはなかったのですが……あなたを他の男に奪われるくらいなら黙っていられません。
恋がしたいのなら、私とではいけませんか?」
「!?」



