致し方ないので、上司お持ち帰りしました






 心配そうな顔をして覗き込む真白さんに、元カレにお金を求められたことを正直に話した。



 職場の人に、男にだまされたことを言うのは初めてだった。同情されるも嫌だったし、私のちっぽけなプライドが人に言うことを拒んだからだ。そんな私の汚点話を優しい瞳で聞いてくれた。
 
 

「男にお金をだまし取られそうになった」だなんて、恥ずかしくて誰にも言えなかったのに、不思議と真白さんにはすんなりと話すことが出来た。

 私は誰かに話を聞いてほしかったのかもしれない。話し終えたころには、心のつかえが取れたように少しだけすっきりとしていた。


 真白さんは、悩んでいるような顔をした後、ゆっくり口を開いた。