「はーい。1年A組の皆さん今日から担任になる綾瀬日花です!よろしくね!」
ベストタイミング…!
陽菜ちゃんには悪いけど…
先生がこのタイミングできてくれてほっとしている
なんて答えればいいか分からなかったから…
「じゃあ今日はお開きしましょうか!」
もっと自己紹介とか委員会決めとかするものだと思ってた
だから早く帰れるの嬉しい
陽菜ちゃんは寮かな…?初めて行くから正直1人は心細い
「新井さん」
突然低く落ち着く声で呼ばれた私の名前
今までこうくん以外の男の子話しかけられることなんてなかったから
どう返事すればいいか分からない…
返事はしないと失礼だって分かっていても口が動いてくれない
とりあえず目線だけでもって思って彼の方を向く
あ、え?こうくんに似てる…
こうくんをほんの少し無愛想にした感じ…みたいな…
「新井さん?そんな見つめてどうした?寮でしょ、案内するから着いておいで」
あ、無意識…
そ、それよりもなんでイケメンさんが知ってるの…?
教えてないはず
案内するっていう口実で
殴られたりするの…?
な、なんかしたの!?私
そんな私の思ったことが手に取るようにわかるのか
焦る私にクスッと笑った
「新井さん思ったこと顔に出すぎ、表情ころころ変わって面白ろ」