「着きました、澪香様。学生寮そして学校のことは先程お伝えした通りでございます。それではお先失礼します。」
そう言うと私を乗せていた高級車が去っていく
送っていただいただけでもありがたいのに高級車はまるでお姫様にでもなった気分
追い出された身なんだけどね…
そんなことより理事長室行かなきゃ
どうやらここの理事長さんはこうくんのお父様とお知り合いで
入学予定だった学校がある程度の偏差値でそれに私は受かったからテストなしで入学認められたんだけど
でも特別枠?みたいな感じだから
挨拶はしないといけないみたい
突然なのに受け入れてくれたんだから挨拶に行くのは当たり前だよね
ここ…か…
「失礼します。新井 澪香です。」
こうくんのお父様のお知り合いということは絶対偉い方
失礼のないようにしないと
ガチャという音がすると同時にドアが開き、優しそうなおじい様が強引に私の腕を引っ張りソファへと促す
「よく来たね、柊から話は聞いているよ。新井さんのクラスは1年A組、場所は私の隣に立ってる楽にでも案内してもらうといい。寮は101号室、鍵はこれ、門限は基本6時だよ。遅れたら…ね?あ、あとこれも受け取ってくれ、このカードで寮食も学食も無料になる。そろそろ入学式だ。教室に行くといい。」
マ、マ、マシンガートーク…
ある程度は分かったけど、学食も寮食も無料なんて……そんな優遇されていいのかな…