「それでね、澪香ちゃん
強制する気は無いんだけど、隣県の全寮制高校に通わないかい?
もちろん、学費含め寮費は私が責任を持って払うよ」
優しいのか優しくないのか
私がこうくんのことを好きだと知った上で傷つかないように言っているのか
私がこうくんと御相手の女の子の邪魔にならないようにするために言っているのか
間違いなく後者だと思う
こうくんの幸せを願うなら
私はこの思いに蓋をしないといけない
心の底からおめでとうって言えるように
離れよう…
「……隣県の高校に通わせてください。」
これでいい、これでいいんだ
「ありがとう、澪香ちゃん
明日うちの者が迎えに行くから、それまでに荷造りしておいて。学校のことは説明するように言っておく」
私が思い通りの選択をして気分がいいのか
嬉しそうにそれだけ言うと一般人には手の届かないほど高級な車に乗って去っていった

