「澪香ちゃん、煌冴に婚約者が出来た。本当に申し訳ないがもう煌冴とは関わらないでくれ。」
唐突、本当に唐突
お久しぶりこうくんのお父様とお会いしたのに
なぜだか私はこうして頭を下げられている
正直いずれこうなることは分かっていた
分かっていたのに
体が一気に冷めていく感覚
いつかこうくんに婚約者が出来て
私はこうくんから離れないといけないのは覚悟していた
だって私はただの一般人だから
それに比べてこうくんこと幼なじみ、珀蘭阤 煌冴 は
俗に言う若頭
つまりこれからの珀蘭阤を担っていく立場
一般人の私とは住む世界が違う
でも高校生の間は…あと3年は関わることを許されると思っていた
明日からこうくんと同じ高校に入学出来るというのに
ただ頭の中がごちゃごちゃで
返す言葉が見つからないでいると