「んー着いてからのお楽しみってことにしといて」





そう言いながら口に指を当てる仕草が妙に色っぽくて




思わずドキッとした





やっぱり八神くんはこうくんに似てるなぁ…





まるでこうくんとデートしてるみたいなんて




八神くんに失礼すぎるよ私




いまここに居るのは八神くんであってこうくんじゃない




切り替えよう!今日は楽しむって決めたんだからね!





それにしてもここの土地は本当に分からないから必死について行く




慣れてるなー、八神くん



「ここに呼んだんだけど、あ、いたいた。行こう」




居た…?誰か呼んだのかな




知らない人だよね…?だいじょぶかな





「新井さん?こっちこっちー」





そう私に手招きする八神くんの前にはこ、こ、高級車·····!






八神くんって一体何者!?





今まで普通に関わってきちゃったけどもしかして私身分違いなことしてる·····?




唐突に押し付けられる現実に不安が積もる





「固まってどうしたの?行くよー」




私が不安がってることに気づいていないのかお構い無しに背中を押されて車に乗せられる