「おはよ、新井さん」




「おはよう!ご飯!ご飯!」




あれから毎日のように八神くんと顔を合わせるようになって話すことに抵抗が無くなった





それよりもここのご飯は本当に美味しくて





ここへ来てからの楽しみになっている





それに元気を貰えるしね





やっぱり私の中でのこうくんの存在は想像以上に大きくて





考えないようにしていても頭の中に浮かぶのはこうくんのことばかり




婚約者さんと仲良くしてるのかな…とか




婚約者さんに笑顔向けてるのかな…とか





キスとか…その先だって





見てもいないのに私の中の黒い感情が言うことをきかない




これじゃあなんのためにこっちへ来たのってなっちゃうじゃんか…





諦めないといけないって分かっているのに




「どうしたの?暗い顔してんね」




「あ、いや、えっと…」



危ない…八神くんにもバレるわけにいかないよ




それに八神くんにとって私はただ同じ階の人ってだけだし…




迷惑かけられない




「あ、そーだ。今日寄りたいとこあるんだけど。着いてきてくれる?」




「わ、私でよければ…」