「雫石さんっ!また家賃遅れてるんだけど?」

大学入学と同時に入居したアパートには、手話で会話できる人がおらず、お互いに何を言っている

のかがわからない。

それに加えてお金も無くなってきてしまって……。

「あぁ……耳が聞こえなかったんだっけ……えーっと……」

「僕に任せてください」

「え?」

大家さんの後ろから誰かが出てきて、手話を始める。