【完】御曹司の彼は私にだけ甘々！？

「これに乗って。」

顔の熱を下げることで必死になっていたら、黒いリムジンが目の前に居た。

「こ、これに乗るの？」

確かに透は御曹司だから、登下校の時に車じゃないのかな？とは思ってたけど、まさか本当にリムジンに乗ってるんだ！


「着いたよ。」

リムジンに乗っていると、段々と景色が森になり、門から玄関まで何mもあった。そして、着いたこの家はとてつもなくデカイ！
扉を開けると
「お帰りなさいませ。」
と数人のメイドさんが居た。

「透様、そちらが陽菜様ですね？
初めまして。私は執事長の相川と申します。」

私の事伝わってるの？何て言ってるんだろう。

「陽菜、行こう。」

私は透に連れてかれて部屋に行った。


「そういえば、婚約者って言ってるけど、透の両親や私の両親は許可出してないのに平気なの？」

「大丈夫。もう許可は下りてるから。」

下りてる！？いつの間に？

「陽菜の両親にも俺の両親にも説明してある。」

そうなんだ。もう用意されてたの。本当にあとは私の気持ちだけなんだ。

「とりあえず、映画見る？」

「うん。」


「あ、あのー。透？」

「どうした？面白くない？」

どうした？って、今、映画を見ようと座ろうとしたら引っ張られて透の膝の上に居る。

「お、下ろして…ほしい、…な。」

透の吐息、いい匂い、温かさ、強く抱きしめられてることを意識すると段々顔が熱くなる。こういうの透は慣れてるかもしれないけど、私は慣れてないよ！

「下ろして欲しいの？」

顔は見えないけど寂しそうな声。透が告白するまで知らなかったけどこんなに好きな人には甘えるんだ。なんか胸がキューンと締め付けられる。

「…ううん。やっぱりいい。まだ抱きしめて…。」

「陽菜…！」

透は認めて貰えたことに嬉しそうにすりすりと顔を私の背中に擦り付ける。私は段々絆されてる。これも全部透の計画通りなのかな。それでも今は透の手のひらで転がされてもいいかなとも思い始めてる。