【完】御曹司の彼は私にだけ甘々!?

「陽菜、最近楽しそうね。」

家でご飯を食べているとお母さんが聞いてきた。

「うん。新しい友達が出来たの。」

「そう。今度は家族のこと気にせず友達と遊んでくるのよ?」

お母さんはいつも心配してくる。お母さんのせいじゃないのに。

「ううん!いいの。
あ、でも土曜日に友達の家に行ってくるね!」

私が珍しいことを言うとお母さんは嬉しそうに笑う。

「ええ!勿論よ。楽しんできてね。」


「ここかな?」

家が複雑みたいで、駅で待ち合わせになった。予定の場所へ向かうと、

「あ、あの!お兄さんかっこいいですね!」
「1人ですか?一緒に遊びませんか?」

透が女の人達に囲まれてる。どうしよう。こんな平凡な女が?とか思われたら嫌だし。でも約束したから行かないと。困ってると、

「陽菜!」

透は私の元に来てくれた。私服もカッコイイ!

「あ、おはよう。」

そう言いながら隠れてた柱から離れて全身を見せると、透は顔を隠した。

「と、透?」

頑張って服、悩んだけどダメだったかな?

「...いや、
服、似合ってるね。」

お世辞かな?と思ったけど耳が赤い。本当なんだ。私も熱くなってくる。

「ありがとう...!
透もカッコイイね!」

照れながら私も思ったことを言うと透はさらに顔を逸らした。

「とりあえず、行こうか。」

透が歩き始めたから、私は最近の癖で自分から手を繋いでしまった。

「え?陽菜...!」

「あ...!ごめんね!」

付き合って数日だけど、毎日、登下校の度に手を繋いでたから慣れるどころか自分からしてしまった。恥ずかしくて顔を手で覆う。

「ありがとう、陽菜!
嬉しい。」

透は私の手を優しく掴んで手を繋ぐ。私は繋いでない方の手で顔をパタパタと仰ぐ。