【完】御曹司の彼は私にだけ甘々！？

「陽菜、何を話してるの？」

西園寺さんの腕を引っ張って私から離す。
「あら、透。私の心配かしら？」

「陽菜、痛いところない？大丈夫？」

透は西園寺さんの事など無視で私の心配をしてくる。西園寺さんはそれを見て顔がさらに怖くなる。

「うん。私は大丈夫。」

「澪。何を話した？」

少し怖い顔で西園寺さんを見る。

「...いいえ。少し仲良くなれたらと思ってただけですわ。
では、ごきげんよう。」

西園寺さんは去っていった。


「...透？」

昼休みだから、と西園寺が帰ったあと弁当を持って空き教室に来た。すると、弁当を置いたら直ぐに透に後ろから抱きしめられた。

「少しだけ堪能させて。」

透は深呼吸をしながら私を強く抱きしめる。後ろだから顔が見えない。私は恥ずかしいけど何とか顔を覆って耐えてる。心臓が壊れそうだけど。

「ねえ、土曜日、俺の家に来ない？」

突然のお誘いに私は驚いた。

「え！い、家？」

突然すぎない？！何をするんだろう。

「あ、驚かせるつもりは無かったんだ。ただ、陽菜、前やってた映画を見たいって店長に言ってたでしょ？だから見ようかなと思って。
陽菜の家はお母さんも居るだろうし。俺の家は両親共、忙しいから大丈夫だし。」

そういうこと！確かに前に電車の広告の映画が面白そうとは言ったけど。よく知ってるね。

「うん。いいよ。行きたい。」

「ありがとう！」

顔は見えなかったけどその声が幸せそうに聞こえた。