>>>ガラッ。



「失礼しまーす」


保健室に着いた私たちは当たりを見渡しても誰もいない。


よし、先生を呼びにいこう…


「先輩、先生呼びに行ってくるのでここで待っていてください」


先輩をベットに降ろしてそう言い、出ようとした時


パシッ。

と手首を握られて、心が高鳴る。


「先生が帰るまでいて欲しい…どうせ帰ってくるだろうし…」


胸がなんだか苦しく感じるのは、先輩が柄にもなく甘えてくるから。

でも、今わ私にしかできないことをするまで。

だから。

「はい。この役割ができるのは私だけですから。」


少し、あえて大袈裟に言ってみる。

それでも先輩に少しでも求められてるのは嬉しい。