この日の放課後には、定例の職員会議が行われた。
広い会議室の中には大きく分けて4つの島があり、それぞれ学年ごとと事務職員が分かれて座ることになっている。


こんな状況になると、古庄は全く落ち着かなくなる。真琴の隣に男性教師が座ることは断固阻止せねばならない。そして、あわよくば自分がそのポジションを獲得しようと、神経を張り巡らせた。
いつも職員室で真琴の隣には座っているが、会議室だともっと自然に接近できる。そして、もしかすると、手と手が触れ合うことなんかもあるかもしれない……!

そんなことを想像すると、古庄の意気込みは俄然高まってくる。何としても真琴の隣は死守しなければならない。


職員会議が始まる放送を聞いて、職員室の教員たちは各々に席を立ち、会議室へ向かい始める。
でも、まだ古庄は立たない。隣の真琴は、やりかけの仕事を切りのいいところまでやってしまいたいみたいだ。だけど、真琴のことだから、時間はきちんと守るはずだ。ぎりぎりになって、走って会議室に滑り込むようなことはない。