ミル*キス

「お前、何しに来てん?」


「何しに……って、お前が働いてるとこ、見に来た」


そう言いながら店の中に入ってくるシィの背後から誰かがひょこっと顔を出した。


「こんにちは」


「おお、久しぶりやな」


「うん」


ちょっと恥ずかしそうな笑顔を見せてくれたのは、ちぃちゃんだ。

今日も癒しオーラ全開だな。

彼女の笑顔を見てると、なんか安心してしまう。




「あ、高校のツレです」


カウンター席についた二人をスミレさんに紹介すると


「こんにちは」


スミレさんは軽く会釈して、二人分のグラスを用意した。



「何、飲む?」


スミレさんから受け取ったグラスを、二人の前に置く。


「んー。じゃ、オレ、モカ」


「ちぃちゃんは?」