「ポケットの中にたまたまミルキーが入ってて。
『食べる?』って聞いたら、『食べる』っていうからあげたの。
それから、二人でしばらく話していたんだけど。
サトシ君、風邪ひいてたのか、急にぐったりしてきて」
「うん」
「体に触れたら、すごい熱で。
あたし……ビックリして……。救急車呼ばなきゃ……って思ったんだけど、携帯のバッテリー切れてたのね……。それで、とにかく誰かに知らせなきゃって思って大通りの方まで出て行ったの」
「うん」
「そしたら、アナタのおばあさんかな……。年配の女性が雑木林の中に入っていくのが見えて」
あ……それ、多分フジさんだな。
「あたし……状況説明しなきゃ……って思ったんだけど、なぜか怖くなって」
「怖い?」
「うん……。自分のせいで風邪ひかせちゃった気がして」
「なんでやねん」とオレはクスクス笑う。
「あの日は、朝から風邪気味やってんで、オレ」
「そっか。でも、なんか軽くパニック起こしてたんだと思う。木の陰に隠れて、そっと様子を見てたんだ。そしたらしばらくして、お母さんらしき人もやってきて」
「オカンだけやった?」
「え?」
『食べる?』って聞いたら、『食べる』っていうからあげたの。
それから、二人でしばらく話していたんだけど。
サトシ君、風邪ひいてたのか、急にぐったりしてきて」
「うん」
「体に触れたら、すごい熱で。
あたし……ビックリして……。救急車呼ばなきゃ……って思ったんだけど、携帯のバッテリー切れてたのね……。それで、とにかく誰かに知らせなきゃって思って大通りの方まで出て行ったの」
「うん」
「そしたら、アナタのおばあさんかな……。年配の女性が雑木林の中に入っていくのが見えて」
あ……それ、多分フジさんだな。
「あたし……状況説明しなきゃ……って思ったんだけど、なぜか怖くなって」
「怖い?」
「うん……。自分のせいで風邪ひかせちゃった気がして」
「なんでやねん」とオレはクスクス笑う。
「あの日は、朝から風邪気味やってんで、オレ」
「そっか。でも、なんか軽くパニック起こしてたんだと思う。木の陰に隠れて、そっと様子を見てたんだ。そしたらしばらくして、お母さんらしき人もやってきて」
「オカンだけやった?」
「え?」


