蒼井の話なんか真に受けるなよ。

それぐらいサラりと交わす器用さ……はミーコにはないか。



というか蒼井の軽さは尋常じゃないな。

絶対オレ以上だろ。



その後もしばらくミーコと蒼井は楽しそうに話していた。


そして用事があると言って、蒼井は帰ってしまった。


ミーコはその場から動き出すこともせず、何か考え事でもしているかのようにぼんやりしている。




「ミーコ?」


声をかけると、ハッとしたような顔をして、


「あっ、あたし洗い物残ってるんだった!」


と言って部屋を出て行った。



シィはといえば、この空気に何も感じていないのか、勝手にオレの漫画を読んで一人で笑ったりしてる。


鈍感ぶりは健在なようで。


しばらくしてシィがトイレに行くといって部屋を出て行った。


オレはテーブルの上に置いてあったティーカップや皿を片付けようと立ち上がった。



階段を下りようとした時、階下からシィの声がした。




「え? 蒼井に……?」