そんな心配をよそに、しばらくするとシィと蒼井がやってきた。


オレは二人を2階の自分の部屋に通した。


コンコンとノックする音がして、ミーコが顔をのぞかせた。



「あの……お茶……持ってきました」


「おお。ありがとう」


入り口付近で受け取って、すぐにミーコを部屋から追い出そうとしたが、

シィが驚いたような声を上げた。



「……あれ? キミ……ラファロにいた子ちゃう?」


「えっ。覚えてくれてたんですか?」


「うん、何でここにおんの?」


「えーと……それはですね……」


話していいの?

そんな目をオレに向けるミーコ。


代わりにオレが話すことにした。


「家政婦してくれてんねん。フジさんっておったやろ? うちにきてくれてた家政婦の。あの人が腰痛めて、代わりに孫の、この子が来てくれてんねん」


「へぇ……。フジさんの孫なんや」


目を丸くして、感心するようにうなずくシィ。


その横で話を聞いていた蒼井がニヤリと笑った。


「こんな可愛い子がメイドなの? いいねぇ」


出たっ……。


こういうことを軽く言っちゃう男なんだ。

蒼井ってヤツは。