「おー。どした?」


用件は、シィから貸りっぱなしだったCDを友達に貸すので返して欲しい、というものだった。



《今から取りに行っていい?》


「ああ。いいよ」


《あ、蒼井(アオイ)も一緒に行くから》



蒼井というのは、シィの大学の友達だ。

オレも何度か一緒に遊んだことがある。



電話を切ると背後からミーコの声がした。


「電話、誰からです? 誰か来るんですか?」


「シィと、シィの友達がくるって」


「えっ? シィさん……って、前にラファロに彼女さんつれてきてた人ですよね? すっごい久しぶりだぁ……。わーい、じゃ、お茶の準備しよっと♪」


パタパタと小走りでキッチンへ向かうミーコ。

その後ろ姿を眺めながら、ふと考える。



蒼井をミーコに会わせるのはマズいかもしれない。


シィ曰く、

蒼井とオレはすごく似ているらしい。