「このことを友達に話したらね」


「ああ」


「それは本気の“好き”じゃない……って言われたんです。『アンタは“恋に恋してる”だけ』だって。
それ言われて……『ああ……そうかもなぁ……』って思いました」


ミーコはにっこり微笑む。


「だから、気にしないでくださいっ。……っていうか、気にされてもあたしも困ります! そういう重いヤツじゃないんですから」


「……うん」



「良かったですね。上手くいって!」


そう言うと、パッと立ち上がる。


「じゃ、この話は終わり……ってことで! あたし、掃除しますから、今日は徹底的にあちこち磨きますよ~」


パタパタとスリッパの音をさせると、せわしなくリビングを出て行ってしまった。


なんか拍子抜け……っていうか。

もっと落ち込ませるかな……って思ってたんだけど。


オレが考えていたほど深刻なものではなかったってことか。


肩の荷が下りた気がして、脱力したオレはソファにパタンと体を倒して目を閉じた。