ミル*キス

初めてスミレと朝を迎えた。



コーヒーの香りで目覚める。


テーブルの上に置かれていたのは

クリームチーズとブルーベリージャムの載ったイングリッシュマフィン。

ベーコンとスクランブルエッグ。


そしてスミレの淹れてくれたコーヒー。



「アカン……なんかニヤける……」


目の前に座っているのは紛れもなくオレの好きな人。


窓から差し込む朝日が彼女の横顔を照らす。



コーヒーカップを持つ指まで愛しく見える。



ジッと見つめるオレの視線に気づいたスミレは「何?」と小首をかしげる。



「いや……キレイやな……って思って」


「朝から何言ってんのよ」


ちょっと頬を染めて照れる姿が可愛いと思った。


「今夜も……会える?」


そう尋ねると、


「うん。店が終わってからね」


と優しく微笑んでくれた。


なんだ……?

この、柔らかい空気に包まれているような感覚は。


あー……ヤバい。

オレ、今最高に幸せかも。