「……スミレ……」
彼女の名前を何度も口にする。
自然と呼び捨てにしてしまっていたけど、いつかみたいに彼女はそれを拒否しなかった。
だから受け入れられたんだと思った。
「……ッ……」
その瞬間頭の中が真っ白になる。
すべてを吐き出し、空っぽになった体を彼女の胸に預けた。
「……すごい汗……」
彼女の指先がオレの額に触れた。
「エアコンつける隙も与えてくれないんだもん。野獣~」
なんてオレのことをからかいながら、ベッドのサイドテーブルに置いてあった、リモコンを手にする。
しばらくして、ここちよい風が体にあたる。
どちらかといえば、頭を冷やすべきだ……オレは。
「ごめん……強引やった?」
「いまさら……だね」
またクスクス笑いながらオレの髪をなでる。
温かくて柔らかい肌に包まれて。
「やべ……すげー安心する」


