ミル*キス

「もー何わけのわかんないこと言ってんの! 子供みたいなこと言わないで!」


オレの胸をぐいと押して、顔を上げたスミレさん。


オレはその唇を強引に奪った。



「……んーっ……」


イヤイヤと首を横に振って、オレから逃れようとする。


その後頭部を押さえつけて、さらに熱い口付けを交わす。


噛み切られるのを覚悟して舌を動かす。

やがてスミレさんの体から力が抜けていく……。


その息が熱くなるのを確認してから、そっと唇を離した。


「……はぁ……はぁ……」


強引にしすぎたかな。

肩で息をするスミレさんはジロリとオレを睨む。


「もぉ……こういうのヤメてよ……アナタのそういうとこ……困る」


拒否されたら余計に闘争心がわくオレって何なの?


Sなわけ?


「もっと困った顔見せてよ……」


もう一度顔を近づけようとしたオレの口にスミレさんはさっと手をかざした。


いつものポーカーフェイスが崩れた。


ほんの少し潤んだ目で恥ずかしそうに言う。



「お願い……ちゃんと部屋でして」って。


「うん」


どうやら陥落?


姫は難攻不落の要塞に足を踏み入れることを許してくれた……らしい。