ミル*キス


「忘れた」


「はぁ?」


ルウさんは頬杖ついて、ため息を吐き出す。


「実は……結末を覚えてないんだよねー。あたし、こういうことよくあるねんなぁ」


「なんやねん、それ」


ルウさん以外のみんなで笑った。


「なんていうか、“停電”っていうのがさ。非日常っていうか、非常事態やん? そんな夜に会いたくなる人は誰か……って話。よくあるでしょ? もしも人類があと24時間で滅亡するとしたら……最後の一日を誰と過ごす? ……みたいな選択。それと同じような感じかな。その時、一番側にいて欲しいのは誰?……ってね」


ルウさんはスミレさんの方を見る。


「ねぇねぇ、スミレちゃんはどう思う? 彼女は元カレのところへ行ったと思う?」