そんなこんなで勉強がすっかりおろそかになってたわけで。


ようやくエンジンがかかった頃にはもう手遅れ。


完全に出遅れたオレは、結局どこの大学にも引っかからなかった。



当然の報い。


身から出た錆。


自業自得。


ともかくオレは受験に失敗し


初めて本気で好きになったあの子は


……親友の彼女になった。



すべてが散った今年の春。


オレは人生で初の大きな挫折を味わったのだ。


なんか……ダルっ。

はぁとため息ついてポケットに手を入れた。

指先が触れたのは、さっきもらったミルキー。

オレにとっては劇薬。


いっそこれ食べて死にますか?

て、ウソウソ。

言って(思って)みただけ。




はぁ……。


なんか最近、てんでついてない。



あまりのダルさに、ずるずると座席からすべりそうになったその時、

車内にアナウンスが流れて、目的の駅に停車した。



よいしょと気合いを入れて立ち上がる。




さてと……。


オレより“不幸な男”の顔でも拝みに行くとするか。