ガバッと起き上がり、眉間を押さえる。


「何、お前勝手なことしてんねん」


その質問にミーコはえへへと笑う。


「いやぁ、ノリでキスする……ってどんな感じかなぁ……って試してみたくなって♪」


「ノリでキス……って」


それは一昨日、オレがミーコに言った言葉だ。


『オレはノリでキスぐらいする』

たしかにそう言った。



「試す。……はぁ、なるほど」


って、納得してる場合か!


ちょっと待て。


とりあえず視界に入ってきたものを確認する。

オレのベッド、オレの布団。

つまり、ここはオレの家。


キスのことはとりあえずおいといて。

その前に根本的に聞かなきゃいけないことがある。


「お前、なんでここにおんねん!」


そう叫んで、唇をかみ締めた瞬間……


「う……」


なんだこの唇にかすかに残った甘い味と香りは……。



「うええええええ」