ここから見ていると、

高校生の制服も、サラリーマンのスーツも……


まるで“何かに属している”、象徴のように見える。



考えてみれば今までずっと、オレには何らかの肩書きがあった。


○○小学校のサトシ君、とか

○○高校の工藤聡


……みたいにね。



今オレは宙ぶらりんだ。


いや、違うか。


しいていえば、○○予備校の工藤聡ってとこか。
(つっても、サボってばっかでロクに出席してないけど)



高3の夏休み。

誰もが必死になって受験勉強に励んでいる最中

オレはバイクの免許取ったり、そのバイクで自分探しの旅……なんかしちゃったりしてた。

今思い返すとかなりハズい。

全く、青いね、青春てヤツは。


そして……あの頃オレは


“あの子”に恋してた。