「スミレさん?」



思わず大きな声でそう言ってしまった。


だって、まさかこんなとこで会えるなんて。

すげぇ、偶然。


「サトシ君……」


彼女もちょっと驚いたような顔をしている。


「買い物ですか?」


彼女が手にしているスーパーの袋に視線を落として尋ねた。

ネギが袋から出てたりして。

いかにも今から料理を作りますって感じだった。


「あ、うん」


ちょっと恥ずかしそうにうつむいたスミレさんがそう答えたその時。




「ママ!」


スミレさんの背後から、5、6歳ぐらいの男の子が駆けてくる。


その声にスミレさんも振り返る。


――って。


え?


ママ?