ミル*キス

眠ってしまった彼女の体を抱きかかえて、ベッドに寝かせた。


起こさないようにと、できるだけ静かに服を着る。


布団をかけなおして、寝顔にそっと触れた。


頬に涙の跡が残ってる。


――ほんまにどっちが年上かわからへんな。


瞼がほんの少し動いた。

ひょっとして起きてるのかな?



「コウカさん……。こういうのはもうやめよう」


「……好きな子できたん?」


「ふ……やっぱり起きてたん?」


「うん」


「好きな子……とかそういうの関係なくて。こういうのはもう……」


「……なんで?」


コウカさんの喉が震える。

瞼は閉じたまま。



「なんでって……。オレとこんなんしても、コウカさん幸せそうじゃないやん。いっつも辛そうな顔してる」


「……」


「話ならいつもで聞くから。だから……」