ミル*キス

オレの言葉に一瞬驚いたような表情を見せたコウカさんは肩をすくめて「ごめんなさい」と謝った。


「なんか……どっちが年上かわからへんね。もう、中学生じゃないもんね……」


そう言って、オレの頬を包み込んで自分の方へ向かせる。


「19歳おめでと」


「は? なんの“おめでとう”?」


「誕生日に言えなかったから」


「なんやねんそれ。わけわからん」


顔を見合わせてクスクス笑って……ゆっくりと唇を合わせた。


指を絡ませて

そしてオレ達はまたさっきの続きを始める。



初めてセックスしたあの中学生の時。


オレは知った。


体が反応すれば、男は勃つし、女は濡れる。

愛情なんてなくてもその行為は成り立つ。


子供だって作れる。


欲望のまま体を動かすだけで。


――愛情なんてなくても。


そうやってできたのが、まさにオレなんだから。


ふと目線をずらすと、壁際においてある鏡にオレ達の姿が映し出されていた。


自分の存在に鳥肌が立つ。


――やばい。

吐きそう。


何も考えたくなくて、コウカさんの体を夢中で貪った。