ミル*キス

「はぁ?」


「サトシ君の子供ならめちゃくちゃ可愛い子できそうやん」


「あんなぁ。ゾッとするような冗談やめてや」


オレはため息をついて両手で顔を覆った。

冗談だってわかってるけど、このタイミングで言われるとシャレにならないっつの。



「冗談じゃないよ。本気。ホントにできてもいいもん。もちろん結婚して……なんて言わへんし。一人で育てるし」


「一人で…って。……そういうこと、簡単に言うなや……」


あ……ダメだ。

なんか萎えそう。


「万が一……。ほんまにできたら、オレは責任取る。そうでないと……子供が可愛そうやろ……」


責任なんて。

まさかオレの口からそんな言葉が出るとは思いもしなかったけど。

それはまだ現実感がないからこそ言えたセリフだったのかもしれないけど。


だけどそれは紛れもないオレの本心でもあった。