ミル*キス

「世の中には知る必要がない……知らない方が良いってこともあるねんよ」


「えっ……」


「だから言うつもりもなかった。
けど、アンタは全部受け止められる大人になったつもりみたいやね。それやったら当然、何を聞いても傷つかへんって覚悟もできてるよね?」


超真顔な母。

何この展開……

ちょっとビビりつつも、オレはゴクリと唾を飲んで頷いた。


「うん」


「そう。そんなに知りたいんやったら教えてあげる。アンタの父親はね……」


そこまで言うと、母は自分の背後にあったテレビを指差す。


「この人」


「へ?」