◯学校へ向かう道
湊斗「朔弥はサッカーの朝練あるから分かるけど何で響希まで先に学校行っちゃったんだろう」
湊斗の言葉に私は下を向く。
そんな私を見て湊斗は何かを察したかのように言う
湊斗「…響希と何かあった?…嫌だったら別に無理に話さなくていいけど…お嬢様は笑ってる顔が一番だよ」
湊斗をみる妃那乃。
湊斗「…お嬢様、手を出して」
妃那乃「え…?」
湊斗「…ほら」
湊斗が妃那乃の手を持ち手のひらに何かを乗せる。
妃那乃が手の中を見る
妃那乃「…飴?」
湊斗「お嬢様、このいちごミルクの飴好きだったでしょ?僕、お菓子大好き。好きなもの食べると嫌な事だって忘れるよ」
湊斗はニッコリ笑う。
妃那乃「湊斗…ありがとう」
妃那乃は微笑み返す
湊斗は顔を赤らめる。
湊斗「…やっぱり笑った顔可愛いな」
妃那乃「…え?湊斗?今なんて…」
湊斗は妃那乃を抱き寄せる
湊斗「…ねぇ、僕を好きになってよ。誰にも…渡したくない」


◯学校から家までの帰り道・夕方
妃那乃(喧嘩をしたわけでもないけど…3人とも話さないし。空気が重い)

妃那乃(学校の廊下ですれ違っても話さないし…)

◯回想中
妃那乃と朔弥が移動教室のため廊下を歩いてると湊斗とすれ違っても何だかいつもと違ったり
職員室で響希とすれ違っても声すらかけれず。

◯回想終了
妃那乃「ねっねぇ、お腹すかない?」
いきなり声をかけたためか3人が驚いた顔で妃那乃をみる。
響希「…」
湊斗「…」
朔弥「…そうだな」
どこかいつもと違う3人に私は息が詰まる。
妃那乃「ねぇ、何でいつもみたいに話さないの?私…3人が婚約者候補になってからいろいろあんた達に振り回されてきたけど…許せないこともあったけど…こんな3人を見るのは1番嫌。
響希は真面目でしっかり者でいつも私たちを支えてくれて…朔弥は意地悪だしいつも私と言い合いばかりしてるけど何だかんだ優しいし、湊斗は時々毒舌なところはどうかと思うけど…甘えん坊で素直でそういうところも可愛くて…私はいつもの3人が好きなの」
響希「お嬢様…」
湊斗「…ってか喧嘩って何?僕達喧嘩なんてしてないよ?ねぇ?」
湊斗は響希と朔弥をみる。
響希「えぇ…別に喧嘩はしてませんよ」
妃那乃「え⁈じゃあ…何で元気なかったのよ!廊下ですれ違っても話しかけてこないし」
響希「…お嬢様…それって私達に話しかけてほしかったってことですか?」
湊斗「えー?そうなのー?」
妃那乃「えっちが…」
朔弥「ふーん、お前、何だかんだいって俺らのこと大好きなんだな。さっきだって好きだっつったもんな」
朔弥が意地悪な笑みを浮かべる
響希「お嬢様…心配しなくても私達はお嬢様の事大好きですよ」
湊斗「これからは今まで以上にもっとお嬢様にくっついていいって事だよね?」
そう言って妃那乃に抱きつく湊斗
妃那乃「ばっ…湊斗!そこまで言ってないわよ!」
顔を赤らめる妃那乃。
朔弥「…妃那乃。お前をこれからもっと俺から離れられないようにしてやるよ。覚悟しておけ」
朔弥は妃那乃の頭を撫でる
響希「私も負けません」
湊斗「僕もー」
妃那乃(…心配して損した。やっぱり三つ子なんかだいきらいだー)