◯玄関・夕方
妃那乃「ただいま」
響希・湊斗「おかえりなさい…」
妃那乃「どっどうしたの?2人とも疲れた顔して…」
響希「どうもこうもないですよ…」

◯回想中
女性(オネェ)の店に連れられた響希と湊斗。
女性(オネェ) 「みんなー、可愛い子達連れてきたわよー」
オネェB「あら、やだ!本当!双子?」
響希「いや、私達三つ子で…」
オネェC「そうなのねー、こっち座って」
オネェは響希と湊斗を椅子に座らせる
湊斗「あっあの…僕達もう帰らないと…」
オネェC「あら、まだいいじゃない。本当二人とも可愛いわね。食べちゃいたいくらい」
響希・湊斗「ぎゃーー!いやー!」


◯回想終了
響希「…というわけです」
笑いを堪える妃那乃と朔弥。
湊斗「もう二人とも笑い事じゃないよ。本当大変だったんだから!元はと言えば響希が財布なんて拾うから」
響希「落とし物を拾うのは人として当たり前の事ですよ。何より一番悪いのは…」
響希が朔弥を睨む。
朔弥「なっなんだよ…」
響希「我々を置いて逃げて…自分だけお嬢様とデートとはいいご身分ですね、朔弥」
湊斗「そうだよ!第一、お嬢様は友達とお出かけだったのに何で朔弥と一緒に帰ってくるんだよ」
朔弥「べっ別にたまたまそこで会ったんだよ…」
湊斗「本当にー⁈」
妃那乃「ほっ本当だよ!それより二人とも先にお風呂入ってきたら?ここにあの…ついてるよ?」
響希と湊斗は玄関の鏡をみる
キスマークが首元と顔についていた
響希・湊斗「いやー!」
二人は急いでお風呂へと向かう。
妃那乃はため息をつく。
朔弥「…じゃあ、俺も部屋戻るわ。あっそうだ。さっき電車の中で言ったこと冗談じゃないからな」
それだけ言うと朔弥は自分の部屋へと戻っていった。
電車の中での出来事を思い出し顔が赤くなる妃那乃。


◯家元の部屋
家元「どうだ?あの子達の様子は?」
新橋「家元の計画にまだ気づいてないようです」
家元「そうか。計画は順調に進んでおるか?」
新橋「…はい。すでに先方にも見合いの件はお伝えしております。しかし、よかったのでしょうか?このような嘘…」
家元「…仕方あるまい。神崎流と如月流のためじゃ。若いものが減ってく今…誰かが継がねば…ワシの代で終わってしまう。
それに…あやつらは妃那乃への気持ちをこうでもしないと伝えないだろう。一度できてしまったお嬢様と執事との関係はなかなか崩せないからな…」