7月に入った。 涼井とは、学校がある日はあの駅で ほぼ毎日顔を合わせていた。 たまに部活が長引いて時間が合わない日もあったけど、 違う学校の生徒同士にしてはよく会う方だと思う。 あれから数日経ったあと、 彼女は隣の隣の高校の制服を着て現れた。 「夏休み前に転校とか、ほんとありえない」 彼女はそう言って笑っていたけど、 心做しか寂しそうに見えた。 今日もいるかな。 そう思いながら改札をくぐる。