12月に入り、期末試験も近づいてきたある夜。


勉強していたらシャーペンの芯がなくなった。


下におりると、ソファでリョウさんが一人、本を読んでいた。


少し前にタカさんにああ言われはしたものの、私はやはり、リョウさんを避けていた。


そのまま横を通り過ぎて玄関に向かおうとすると、声をかけられた。


「どこ行くの?」


「シャーペンの芯がなくなったから、そこのコンビニまで」


目を見ずに必要最小限のことだけ言って、さっと通り過ぎようとした。


ところが、リョウさんは先に立って玄関を出た。


一緒に行くつもりらしい。