「リョウさん、頭を上げてください。
私、気にしてませんから。
もういいですから」


気にしてなかったわけじゃないけど、こんなにもまっすぐ謝られたら、そう言うしかない。


リョウさんはそれでも、心配そうな表情で私を見上げ問いかけてきた。


「莉絵と俺を許してもらえるだろうか」


さらさらの髪の間から、大好きなそのきれいな顔で上目遣いに見上げられて、私に嫌と言えるわけがなかった。


「もちろんです。
許します、全然、許します!」

動揺して、変な日本語になっちゃった。


「ありがとう」


リョウさんはまだ申し訳なさそうな表情だったが、それでもほっとしたようにほんのり微笑んだ。


私もほっとした。


さっきはリョウさんに失望したと思ったけど、私はやっぱりリョウさんを嫌いになんてなれないみたいだ。