並木通りは、有名なデートスポットでもある。


あちらにもこちらにも仲の良さそうな二人連れが歩いている。


私もいつか、誰かとあんなふうにここを歩ける日が来るのかなぁ……




なんだか、じめっとしてしまった空気を振り払いたくて、私はテンションをあげて聞いた。


「それよりさ、裕子はどうなのよ?
三上先輩とはどうなってるの?」


裕子は、春から1コ上の先輩と付き合っている。


「たぶん……もうだめかも」


「え、そうなの?」


「うん、性格の不一致ってヤツ?」


「そっか……
裕子はそれでいいの?」


「うん。ていうか、私の方がもう無理っぽいんだ」


恋愛経験豊富な裕子がそう思うんなら、私に言えることは何もない。