『だから…言うたやん…ァ、アホ…はぁ、はぁ…』

階段を2段抜かしで駆け上がり、
肩で息をする僕に言った。

「う、うるさい…はぁ、ちょっとタンマ…はぁ、はぁ」

新快速の最後尾がもぅ小さく見える。

「もとはと言えば、そっちが遅れてくるからやん。」

正常に戻りつつある声で責めた。

彼女は両膝に手を置き、
うつむいた顔のまま睨むように見た。

『あたしのせい…?』

小さい舌打ち。

彼女は僕に後頭部を向け、
背を伸ばした。