ファーストクラスの恋 ~砂漠の王子さまは突然現れる~

38階はおそらくこのビルの最上階。
ということは、ここは重役フロアってことだろうと思う。

「私は今日就職の面接にお邪魔したはずですが?」
どうしても一歩を踏み出す勇気が出なくて、男性に尋ねてしまった。

「ええ、そううかがっています」

じゃあなぜここなのか。
ここは一介の職員の面接会場ではないはずだ。

「何かの間違いではありませんか?私は水野凪と申します。営業職の採用で、面接を受けに来たのですが」
「承知しております」
にこやかに答える男性。

おかしいな、話がどうもかみ合わない。
そもそも私はこんな場所で面接を受けるようなVIPではない。

「とにかくどうぞおいで下さい。私は水野さんをお連れするようにと指示を受けているんです」
来てもらわないと困りますと言いたそうに、男性が小さく息をついた。

「では、なぜ私がここへ連れてこられたのかを教えてください」
理由もわからずこんなすごいところに案内されたのでは、不安で仕方がない。

「困りましたねえ・・・」
エレベーターのドアをはさんで、私と男性がにらみ合う。
その時、